秋田県は、米どころ・酒どころとして有名ですが全国的に知られる郷土料理といえば「きりたんぽ鍋」です。
「きりたんぽ」は、マタギと呼ばれた鹿角(かづの)市の木こりたちが、串に握りつけた米飯に味噌を付けて
火で焙って食べていたのが始まりとされています。
その米飯の形が槍(やり)の刃の部分のカバー(たんぽ)に似ていることから「たんぽ」と呼ばれ、
「きりたんぽ」は鍋に切って入れることから「切りたんぽ」から「きりたんぽ」といわれるようになりました。
味噌は、くるみ味噌・ごま味噌・山椒味噌などさまざまです。
サッと焼いてそのまま食べてもおいしいといいます。やがて山で獲ったキジやウサギと一緒に味噌仕立ての
鍋に入れるようになり、現在の「きりたんぽ鍋」の形になったのです。
明治時代になってしょうゆが食卓の日用品になると味噌味からしょうゆ味の「きりたんぽ鍋」が主流となりました。
地鶏を使ったダシをベースにしょうゆで味付け、旬の野菜をたっぷりと煮込みます。
煮ても硬くなりすぎない比内地鶏と、汁がたっぷりと浸み込んだきりたんぽが入った鍋は
厳しい冬に欠かせない秋田県の郷土料理です。
「きりたんぽ鍋」のレシピ
<材料 4人分>
・鶏むね肉・・・160g
・鶏もも肉・・・160g
・ご飯・・・8杯(きりたんぽ8本分)
・まいたけ・・・100g
・ごぼう・・・100g
・長ねぎ・・・250g
・せり・・・150g
・きんかん・・・適量
・糸こんにゃく・・・1袋(約240g)
・鶏ガラ・・・2羽分
<作り方>
①鍋に鶏ガラと水を入れ、トロ火で4~5時間アクをとりながら煮てスープを作ります。
②ごぼうはささがきにし、水につけアクを取ります。長ねぎは斜め薄切り、せりは半分に切ります。
糸こんにゃくは熱湯でさっとゆで、食べやすい大きさに切ります。まいたけは石づきを取りほぐします。
③きりたんぽをつくりましょう。
すりばちにご飯を入れて、すり棒でやさしくつきます。
ある程度粘りがついたら、おにぎりのように8等分にして丸めます。
④串を水で濡らして湿らせます。③を串に刺し、握りながら伸ばしていきます。
この時、手に塩水をつけて作業します。形を整えるために、まな板の上で表面を転がすと
串に対しまんべんなく均一につくように整えられます。
⑤きりたんぽの表面が乾くまで待ちましょう。
乾いたら、網で表面がきつね色になるまで焼いていきます。
⑥⑤を串から外し、半分に切ります。
⑦鍋に①にスープを入れて沸かし、きりたんぽ・まいたけ・ごぼう・長ねぎ・きんかん・糸こんにゃく
・鶏肉を入れます。
⑧沸騰したら、せりを入れ、きりたんぽにじっくりスープが染みたら出来上がりです。
※山形県のブランド地鶏「比内地鶏」は、込んでも硬くならずもちっと弾力のある食感です。
④の工程で塩水で手を濡らすのは、米が手に付かないためです。