現在、日本国内に流通する鶏肉の90%以上が「ブロイラー」と呼ばれる外国鶏種です。ブロイラーは、品種名ではなく、成長が早く肉付きがよいため、短期間で出荷できる「肉用若鶏」の総称です。
ブロイラー飼育は、1920年代アメリカで始まり、1960年代中頃から日本に導入されました。成長が早く、飼料効率にも優れ、通常約50日(一ヵ月半程)で大きく育ち、体重1.9~3kg前後で出荷されます。価格が手ごろでやわらかい肉質が特長です。
ブロイラーは狭い鶏舎で飼われている印象がありますが、現在のブロイラーは、鶏が床面、または地面を自由に運動できるように飼育する「平飼い」が一般的です。
大型施設では、コンクリート床にして、その下に床面給湯しているところもあります。フンを乾燥させ、管理しやすい利点があります。また「ウインドレス」という窓なしの鶏舎も増えています。鶏同士の喧嘩が少なくなり、外気から閉鎖されているため、室温調節がしやすく、衛生面でも優れています。
現在、日本国内の養鶏農場が飼育している肉用鶏は、外国の育種会社が育種改良した「外国鶏種」の鶏が大部分を占め、日本で育種改良された「国産鶏種」は2%程度です。
「リーズナブルな価格でおいしい鶏肉づくり」を目指し、(独)家畜改良センター兵庫牧場では、長年の育種改良によって、「はりま」、「たつの」という「国産鶏種」を開発し、普及をめざしています。
【はりま】
「国産鶏はりま」、「生活クラブ生協」では、「丹精國鶏」の名前で販売されています。
【たつの】
「純国産鶏たつの」と生産者の個別ブランド名(純和鶏)を併記して販売されています。