ニワトリ(鶏)の歴史を遡ると、紀元前3000年頃には、チベット周辺地域で飼育されていたようです。チベット周辺から、東南アジアや中国、イランへ伝わり、さらには地中海沿岸諸国やヨーロッパへと広まったとされています。
日本で鶏肉を食べ始めたのは江戸時代末期ともいわれていますが、天武天皇が675年に肉食禁止令を発布したときの対象となった動物は、ウシ、ウマ、イヌ、サル、ニワトリの5種であったことから、実は6世紀ごろにはニワトリは食用とされていたことが推測できます。
明治時代末期には、人工孵化が一般化し、第二次世界大戦後、発達した養鶏は、まず採卵養鶏が産業として発達し、1960年以降に肉用養鶏が産業として発達しました。
明治時代から昭和時代中ごろまで、産業として飼われていたニワトリは、卵用種、肉用種、卵肉兼用種に分けることができます。
卵用種としては白色レグホン、肉用種としてはコーチンと地鶏などの交配種が全国各地で作られています。
卵肉兼用種としては、プリマスロック、ロードアイランドレッドなどがアメリカから輸入されたニワトリが中心となっています。
ブロイラーとは、食用に肥育した若鶏のことをさします。アメリカが発祥の地で、1920年頃から始まり、日本には1960年(昭和35年)にブロイラー専用の種が導入され、本格的な養鶏が始まりました。
少ない餌で短期間で大きくなるので、食用とする肉部は脂肪の少ないやわらかい食感の肉質であり、そして価格が安いのが特長です。
白色コーニッシュに白色プリマスロックをかけ合わせた二元雑種のブロイラー専用種はアメリカで開発されました。
日本のブロイラー専用ニワトリは、アメリカから受精卵を輸入し、日本国内の種鶏場で孵化し、生まれたヒヨコを養鶏施設で市場サイズまで肥育して出荷します。
ブロイラーという名前は、もともと調理温度を示す言葉で、broil(炙り焼く)用の若鶏の意味に由来しています。
肉用のブロイラーの肥育期間は1ヵ月半程度です。ブロイラーは若鶏の代名詞にもなっています。