鶏肉を使った郷土料理 石川県の煮物料理 「治部煮」って?

石川県金沢市の郷土料理としてまず挙げられるのが、加賀藩の時代から親しまれている「治部(じぶ)煮」です。
「治部煮」は、薄切りにした鴨肉または鶏肉に小麦粉をまぶし、金沢独特のすだれ麩や、
きのこを独特の治部だしで煮た料理です。
鴨肉を使うのが本式とされていますが、現在では鶏肉が多く使われています。
小麦粉をまぶした野鳥や鶏の肉を季節の野菜や特産のすだれ麩と煮合わせ、小麦粉でとろみをつけるのが特徴です。
肉に小麦粉をまぶすため縮みにくくて味がからみやすく、ダシにとろみがつくので保温性が高まります。
麩は金沢の特産品のひとつですが、治部煮に欠かせないすだれ麩は加賀藩主の前田家の料理人が考え出した麩で
代々加賀藩主の食膳を飾ったといいます。

『治部』の名前の由来は・・・
豊臣秀吉の兵糧奉行だった「岡部治部右衛門」が朝鮮から伝えたのでその名を付けたという説。
鍋で『ジブジブ』と音を立てて煮立てるからという説。
野生の鴨肉を使うことから、フランス料理のジビエからとったという説。
など諸説あります。

「治部煮」のレシピ
<材料 4人分>
・鴨肉(鶏肉)・・・200g
・すだれ麩・・・1枚
・しいたけ(小)・・・4枚
・かぼちゃ・・・1/4個
・にんじん・・・1本
・金時草(きんじそう)・・・4本※1
・小麦粉・・・適量
・かつおだし汁・・・2カップ
・薄口しょうゆ・・・大さじ1
・濃口しょうゆ・・・大さじ1
・白しょうゆ・・・大さじ1
・砂糖・・・少々
・みりん・・・大さじ2
・水溶き小麦粉・・・小麦粉大さじ1
   〃   ・・・水大さじ2

<作り方>
①鶏肉(鴨肉)は、かたまりのまま皮部分にスジをいれてフライパンで焼きぬるま湯にくぐらせ油を抜き
 さらに氷水にくぐらせます。氷水でぎゅっと締めることで皮と身が剥がれるのを防ぐことができます。

②鶏肉(鴨肉)は大きめのそぎ切りにし、小麦粉をたっぷりとまぶしておきます。

③かぼちゃはスプーンでボール状に丸くくり抜き、にんじんはもみじ形に型取りします。
 しいたけは飾り包丁を入れすだれ麩は縦に細切りにして結んでおきます。

④鍋にかつおだし汁を1カップ(半量)、白しょうゆ、みりんを大さじ1(半量)入れ
 しいたけ・すだれ麩・にんじん・かぼちゃを軽く煮ます。金時草はボイルしておきます。

⑤④の具材に火が通ったら治部煮椀※2に盛り付けます。

⑥かつおだし汁1カップ(半量)に、みりん大さじ1(半量)・薄口・濃口しょうゆ・
 お好みで砂糖を一つまみ加えて煮立て、治部だしを作ります。
 ②の鴨肉(鶏肉)を治部だしに入れ火を通します。

⑦火が通ったら弱火にし、水溶き小麦粉を鍋の中へ円を描くように回し入れます。

⑧煮立った鴨肉(鶏肉)を⑤の椀に盛ります。

⑨すべての具材を盛り付けた椀にトロミのついた治部だしをかけて出来上がりです。

※1 和名は水前寺菜(すいぜんじな)といい、日本へは18世紀に中国から渡来したものですが、
   熊本市で古くから栽培されていたので水前寺菜とついたとされています。
   この水前寺菜が江戸時代に、北国である石川県で栽培されていた記録があります。
   商品としての栽培が広がり始めたのは昭和初年頃のことで、以来70年間全国的に多く
   栽培されているのは金沢だけのようです。手に入らない時は他の葉物野菜でどうぞ!

※2 治部椀とは、治部煮専用のお椀です。口が広く、通常の椀より浅いつくりになっており
   治部煮独特のとろみを具と一緒に口に運びやすく、汁に具が隠れないように盛り付けられるのです。

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